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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる(=無呼吸)病気です。
SASは、快適な眠りを妨げるだけでなく、生活習慣病やメタボリックシンドロームとの密接な関連が注目されています。
いびきをかく、日ごろ熟睡感を得られない、起床時に頭痛がある、少し太り気味という場合はもちろんですが、糖尿病や高血圧、心臓病などがあるけれど・・・
このような方は、実はSASが潜んでいる可能性が考えられます。
当院では、成人・小児を問わずSASの診療を行っております。各分野の専門医が集まり検討を重ね、SAS自体の診療はもちろんですが、さまざまなSASの合併症についても十分な医学的検討を行い、個々の患者さんに合った、より質の高い医療を提供します。
閉塞型SAS(OSAS)
気道(空気の通り道)が閉塞してしまうことが大きな要因として挙げられます。
肥満をはじめ、気道を狭くさせる原因はさまざまです。日本人は欧米人に比べ肥満の割合や程度は高くありませんが、比較的あごが小さいため気道が狭くなりやすいと考えられています。
十分な睡眠時間をとって身体を休ませているつもりでも、無呼吸の状態では脳が起きた状態になってしまうので、質のよい睡眠をとることができません。
その結果、起床時に頭痛が生じたり、日中の眠気や倦怠感が強くなったりします。
睡眠中の「いびき」も、よくみられる症状の1つです。
また、高血圧や脳卒中などの循環器疾患や、糖尿病などの合併症を引き起こすこともあります。
しかし、睡眠中のことですのでご自身では気づきにくいのがこの病気の特徴です。
ご家族やお知り合いなどから睡眠中の「無呼吸」や「いびき」を指摘されたような場合、また下記のような症状にお心当たりがある場合は、お早めに受診されることをお勧めします。
睡眠中にいびきをかく
昼間の眠気が強い、熟睡感がない
起床時の頭痛
夜間のトイレの回数が多い
インポテンツ
集中力や記憶力の低下
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併症
○糖尿病 ○高血圧 ○心疾患 ○肥満
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状として実感できるものは、「いびき・無呼吸」などしかありませんが、「たかが睡眠中のことだから・・・」と放っておくと、高血圧・心臓病・脳卒中・糖尿病といった生活習慣病を引き起こす危険性が潜んでいます。SASを適切に治療することで、このような合併症が改善することもしばしばあります。
また、日中の眠気が原因で、交通事故などの労働災害も引き起こしかねません。
お子さんの場合は、成長不良や成績の不振や集中力の低下につながるとも考えられます。
質のよい睡眠がとれないことが原因で、気付かないうちに様々な影響を受けることに、この病気の怖さの本質があります。
治療法について
治療法は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因、また患者さま個々の状態に応じて選択されます。
ここでは、CPAP治療・マウスピース・外科的手術・生活習慣の改善についてご紹介します。
■ CPAP(シーパップ)治療
睡眠中の気道閉塞を防ぐために、専用のマスクを鼻あるいは口に取り付け、機械から陽圧を送り込む治療法です。
世界的にもSASの治療法として普及しています。
■ マウスピース
主に軽症の方が適用になります。
気道を広く確保するために、下顎を上顎よりも前に出るように固定します。
専用のマウスピースですので、作製にあたっては専門の歯科医をご紹介いたします。
■ 外科的手術
無呼吸の起こる部位が明確な場合、またその部位によって適用になります。特にお子さんの場合は、手術適用の検討が必要です。
最近ではレーザー治療が行なわれる場合もありますが、全ての方に適用となる治療法ではありません。
■ 生活習慣病の改善
・肥満の方は、減量のために適度な運動を心がけましょう。食事も腹八分目が大切です。
・寝酒はやめましょう。お酒は筋肉を弛緩させ、気道の閉塞をさらに悪化させる可能性があります。
・睡眠薬の中には、筋肉の緊張を緩める作用があるものもあります。服用にあたっては主治医にご相談ください。